訃報は、突然知らされるものです。仕事や家庭の事情で、やむを得ずお葬式を欠席しなければならないときもあるでしょう。そのときには、電報・供物・弔問などを通じ、弔意を示すことが大切です。この記事を読めば、お葬式を欠席せざるを得ないとき、相手に不快感を与えず弔意を示す方法がわかります。弔意を示すポイント・マナーなどを理解すれば、離れていても、お世話になった故人をきちんと送り出すことができるでしょう。
お葬式を欠席する際の対応
親しい方のお葬式を欠席する際は、出席の可否を伝え、香典を送る必要があります。はじめに、どのようなケースでも共通する対応を簡単にご紹介しますので、ひととおり確認しておきましょう。
お葬式を欠席する旨を早めに連絡する
訃報を知らされてからお葬式が執り行われるまで、日数の余裕がない場合も多いはずです。そのため、欠席が確定した時点で、早めに連絡を取りましょう。欠席を伝えるときは、以下の理由があるため、できるだけ電話で直接話すのが望ましいです。
<電話で欠席を連絡するべき理由>
●はがきや手紙などの郵送物で連絡すると、お葬式に間に合わない場合があるため
●喪主は忙しく、郵送物やメッセージで伝えると見落としてしまう場合があるため
香典を送る
親しい方のお葬式の場合、参列する・欠席するにかかわらず、香典で弔意を伝えるのが望ましいといえます。身近に参列できる人がいる場合は、その人を通じて喪主へ渡してもらいましょう。そうした人がいないときは、忙しいお葬式当日を避け、現金書留で郵送します。香典の相場は、以下のとおりです。実際にいくら包むのかは関係性により異なるため、自身あるいは友人一同などで、以下の範囲内で金額を検討しましょう。
<香典の相場>
●お世話になった方・友人・知人…3,000円~1万円程度
●親族…1~10万円程度
また郵送する場合は、香典が後日の到着となるため、欠席連絡の際にその旨を合わせて伝えておくのがよいでしょう。香典は初七日から1か月後までに届くよう手配し、早すぎたり遅すぎたりしないよう配慮が必要です。
弔意を示す方法・マナー
お葬式をやむを得ず欠席する場合は、どのように弔意を伝えるべきか悩むはずです。その際は、「弔電(電報)を送る」「お供えもの・供花を送る」「弔問する」という3つの選択肢があります。それぞれ確認して、適切な弔意の示し方を見つけましょう。
弔電(電報)を送る
弔電とは、亡くなった方を偲び、お悔やみを伝える電報のことをいいます。弔電を送る際は、通夜がはじまるまでに会場に届くよう手配しましょう。もし通夜に間に合わなくても、お葬式・告別式までに届けば問題ありません。電報には、故人や遺族へ伝えたい思いを整理し、この記事の後半でご紹介する文例を参考にして思いをしたためましょう。ただし、お葬式の案内時・欠席の連絡時に遺族から「弔電を辞退する」といわれた際は、無理に送らないのがマナーです。
弔電(電報)を送る際のポイント
弔電は、喪主の自宅ではなく、斎場へあてて送ります。そのため、普段連絡・荷物をやり取りするときと同じ送り方でよいわけではありません。適切に電報を送れるよう、お葬式の案内や欠席連絡のときに以下の情報を確認しておくと、スムーズに手続きできるでしょう。
<弔電を送る際に必要な情報>
1.故人名・喪主名と故人との続柄
2.告別式・お葬式の日時
3.電報の送り先(斎場名・所在地)
また弔電には、誰から送られてきたのかわかるよう、差出人名も入れます。告別式で読み上げて紹介されることもあるため、差出人の読み方がわかるよう、カッコ書きで振り仮名もつけておくと親切です。
弔電(電報)のマナー
弔電をしたためる際は、「忌み言葉を使わない」「故人の宗教に合わせたことばを送る」のがマナーです。忌み言葉・弔電で使うべきでないことばには、「苦しむ」「四」「九」「死」や、生前を思い起こさせる「ご生存中」「生きていた」などが挙げられます。また「ますます」「重ね重ね」などの重ね言葉や、悪いことを連想させる「とんでもないこと」「とんだこと」「追って」なども避けましょう。さらに、故人が重んじていた宗教がある場合は、その教えに沿ったメッセージをしたためる必要があります。たとえば、キリスト教や神道のお葬式では「ご愁傷様」「冥福」「成仏」などの仏教用語を使いません。うっかり他宗教で用いることばを書かないよう、注意が必要です。くわえて、弔電はあくまでも形式的なもので、弔問と同等の意味は持たない点を把握しておきましょう。弔電で弔いの気持ちを伝えたうえで、「後日弔問に伺う」と意思表明をしておくことも大切です。
お供えもの(供物)・供花を送る
お葬式を欠席するときは、お供えものや供花を送って弔意を示す方法もあります。お供えものには、香・抹香・ろうそく・果物・菓子・五穀などを用いる場合が多いです。葬儀社へ連絡をとり、相談したうえで送りましょう。
お供えもの・供花を送る際のポイント
お供えものや供花を送る際は、お悔やみ状を同封するのが基本です。お悔やみ状は「故人への感謝・遺族への思いをしたためたもの」をいい、時候の挨拶は書かず、遺族を気づかうことばを入れます。ただし式場によっては、あらかじめ決まった花・決まった品物しか受け付けられない場合があります。そのためお供えものや供花を送りたい場合は、事前に担当の葬儀会社へ連絡しておくとトラブルの心配がありません。送ってよいもの・受け付けしてもらえるものを、お通夜がはじまる3時間前までに届くよう手配しましょう。
お供えもの・供花を送る際のマナー
お供えものや供花は、品物によっては、相手にとって負担になる場合もあります。ご遺族にとって重荷にならない程度の価格・量のものを選ぶことが大切です。またお供えものも、宗教によって選ぶべきものが異なります。たとえば、キリスト教はお供えものがいりません。一方、仏教は香・抹香・ろうそく・果物・菓子・五穀など、神道は食べ物などが喜ばれます。供花に関しても、キリスト教は白の生花のみ、仏教や神道では白や黄色のお花といった違いがあります。こうした決まりごとは葬儀社が把握しているため、相談のうえ、適したものを選びましょう。
弔問する
弔問とは、お葬式後四十九日までに、お線香をあげる目的で訪問することをいいます。ご遺族の都合のよい日を伺い、約束の上で弔問するのが基本です。
弔問する際のポイント
弔問は、お葬式後落ち着いたころ(3~5日後以降)から四十九日を迎えるまでの間に伺いましょう。早すぎたり遅すぎたりすると、かえってご迷惑になってしまう場合があるため、注意が必要です。またご遺族の方に慌てて対応させないよう、事前に連絡を入れたうえで伺うのが基本となります。
弔問する際のマナー
弔問時には、香典を持ち、スーツで伺うのがマナーです。お葬式が終わっているからと言って、ラフな格好で伺うのは控えましょう。また喪服はご遺族に悲しみを思い起こさせるため避け、落ち着いた色味のスーツやワンピースを着用しましょう。
お葬式を欠席するなら弔電(電報)の活用を
どうしてもお葬式を欠席せざるを得ない場合は、弔電(電報)・お供えもの・供花・弔問などで弔意を伝えます。そのなかでもっともスムーズに手続きできるのは、「すぐに送れる」「お供えものも送れる」などの特徴がある弔電(電報)です。弔電(電報)について、もう少し詳しく確認してみましょう。
最短即日でメッセージを届けられる
電報サービスを活用すれば、最短即日でメッセージを届けられます。「お葬式の直前に訃報を知った」「仕事の関係で欠席せざるを得ない」といった事情があっても、お世話になったあの方とご遺族へ、きちんと弔意を届けられるでしょう。またインターネットで申し込みを受け付けているため、「出張先で訃報を知った」という場合もすぐに手続きできます。
お供えもの・供花も届けられる
電報サービスなら、メッセージはもちろん、お供えものや供花も一緒に送れます。お供えものと電報を同時に手配できるため、バタバタしやすいお葬式前でも、ゆっくり故人を偲ぶ時間を取れるはずです。電報でともに送れるものには、生花・プリザーブドフラワー・ソープフラワー・ハーバリウム・お線香などがあります。故人の好きだったもの・故人のイメージに合うものを選んで送りましょう。
お供えもの・供花と送れる弔電はこちら:弔電・お悔やみ電報
訃報を後日知った場合のマナー
ときには、「家族葬で済ませた」「1日葬で済ませた」など、後日訃報を知らされる場合もあるでしょう。そのような場合には、後日弔電を送れば問題ありません。お葬式に伺えなかったことを詫びる・知らせてくれたことに感謝の意を示すなど、一工夫したメッセージをしたためて送りましょう。
電報(弔電)のメッセージ例文
電報は日ごろからの馴染みがないため、どのようなメッセージを送ればよいのかと悩む方も多いのではないでしょうか。そこで、弔電のメッセージ例文をいくつかご紹介します。ぜひ参考にして、故人とご遺族へあてたメッセージをしたためてください。
故人の在りし日のお姿を偲び、謹んでお悔やみ申しあげます。
ご家族皆様のご心痛をお察し申しあげますとともに、
在りし日を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。
ご家族さまの心中お察し申しあげます。
謹んでお悔やみ申しあげます。
これからは天国で安らかに、神様の傍で
皆様ご家族をお守りくださるようお祈り申しあげます。
ご一同様のご落胆いかばかりかと深くお察しいたします。
本来であればすぐにでも弔問にお伺いしたいところですが、
遠隔地ゆえ、心ばかりの線香を同封させていただきました。
ご霊前にお供えいただければ幸いでございます。
心より哀悼の意を表します。
お辛いとは思いますが、どうか気を落とされませんように。
総務省認可の電報サービス「for-電報」では、ホームページ上でより多くの例文を掲載しています。ほかの例文も参考にしたい方は、下記のページからご確認ください。
より多くの例文を確認したい方はこちら:文例集
まとめ
どうしてもお葬式を欠席せざるを得ないときは、弔電(電報)・お供えもの・供花・弔問などで弔意を示しましょう。そのなかでも弔電には「最短即日でメッセージを届けられる」「メッセージとともにお供えものや供花も送れる」などの特徴があり、スムーズに手続きを終わらせ、ゆっくり故人を偲ぶ時間を作れます。お葬式に参列できない場合でも、ご遺族へ弔意を示し、きちんと故人を送り出しましょう。